• 玉泉堂酒造母屋
    (国指定登録有形文化財)
  • 本麹造りのための現代的な麹室
  • 全量自社精米で、
    米を大切にゆっくりと磨く
  • 綺麗な付きハゼの麹があってこそ
    綺麗な味わいのお酒になる
  • 独自の制御の瓶燗で低温殺菌し
    安定した品質と吟醸酒のきれいな味を実現
玉泉堂酒造は「引き算の美学」「透明感」「純粋さ」を感じさせるお酒を理想としてます。
気品あふれる香り、安らぎのある味、きれいな余韻が特徴です。
超軟水を汲み上げ、自社精米を行い、洗米・製麹・蒸し・搾り・火入れ・貯蔵に工夫を重ね、製造しています。

製法のこだわり

1. 醴泉について
「引き算の美学」「透明感」「純粋さ」を表現するのが「醴泉」の日本酒です。
弊社の『醴泉』は、古代中国と日本の歴史が交わる由緒ある名に由来します。
西暦632年、唐の太宗が離宮の泉に『醴泉』と命名しました。
西暦717年、日本で、元正天皇が弊社近くの養老伝説(老いた親を養っていたら滝の水が酒に変化したという)のある滝の近くの泉名に『醴泉』と引用しました。また、元正天皇は年号とこの地域を「養老」と名付けられました。弊社所在地の岐阜県養老郡養老町にその名が残っています。

2. 良質な伏流水
続日本記によれば西暦717年に、養老伝説に感動した元正天皇が、養老を訪れ「醴泉者美泉(れいせんとは、おいしい水の出る泉のこと)」と述べられました。また、元正天皇は、翌年にも養老を訪れており、その水の美味しさは歴史書でも評価されています。玉泉堂酒造は、養老山系の非常に軟らかい伏流水を用いて、お酒を仕込んでおります。
この超軟水を使うと、酵母の増殖が穏やかで、低温長期発酵する綺麗な味わいの吟醸酒に最適だと考えています。

3. お米へのこだわり
高品質な日本酒づくりには、高品質なお米が重要です。
1994年に、複数の蔵元で、米にこだわった団体「フロンティア東条21」が、結成されます。
これは、酒造好適米の中でも王様である「山田錦」という品種、中でも理想的なテロワールである兵庫県加東市東条地区産の山田錦を使って日本酒を醸す団体です。山田錦は、芯に微細な隙間があり、コウジカビが中心部まで到達しやすく、少ない麹菌で効率よく酵素を生成することで、きれいな味わいの日本酒につながります。中でも東条地区は手間を掛けた生育と良い田と灌漑設備で知られています。参加蔵元の主な銘柄は、
「義侠」「初亀」「醴泉」「磯自慢」「美丈夫」「松の司」「黒龍」「明鏡止水」「飛露喜」「十四代」「東洋美人」「伯楽星」
です。これらの銘柄は、日本酒の高品質化に初期から関わっているということを意味します。弊社も、吟醸酒以上を中心に、東条地区特等山田錦で醸しています。一部商品で、酒質に応じて岐阜県産「ひだほまれ」等の酒米も使い分けています。

4. 全量自社精米
玉泉堂酒造は、自社内に精米所があり自社ですべての精米を行っております。
自社精米のメリット①として、時間をかけてお米に優しい(割れにくい)精米ができます。
自社精米のメリット②として、毎年異なる米の特性を上流で把握して酒造りに活かす事ができます。

5. 自社開発の洗米と限定吸水
自社改良の洗米機は、超音波でお米から糠だけを綺麗に取り除きます。洗米機を通ったお米は、そのまま白米10kgごとに桶に浸して給水させます。酒米の浸漬時間は十数分程度です。酒米の吸水率は、10秒吸水が伸びると1%近くも上がってしまい、繊細です。良い麹、良いお酒を造るためにはこの吸水率の厳密な管理が求められます。

6. 甑(こしき)での蒸しの工夫「抜けがけ」
お米の蒸し方も酒質に大きく影響します。蒸気の圧力と温度を、製蒸器で厳密にコントロールします。そして、甑(巨大なご飯釜みたいなものです)の中に、蒸気が抜けてきたところに少量ずつお米を敷きます。一度にお米を投入するのではなく、お米の振る舞いを見ながら行うので、手間はかかりますが良い蒸しができます。
7. 丁寧な麹づくりによる「本麹仕込み」
でんぷん質のお米は、麹に糖化され、酵母によって日本酒に変化します。麹をつくる際の湿度・温度・品温の管理は極めて繊細です。
弊社は、積み重ねた経験とデータをもとに24時間湿度温度を自動で調整される麹室で高品質な麹を造り、無添加の「本麹仕込み」を行っています。コウジカビでの並行複発酵は、世界文化遺産にも登録されました。一方で、米と水と麹だけで仕込む酒蔵はかなり希少になりました。醴泉(れいせん)の、米と水と麹だけで造る「本麹仕込み」の日本酒には、「引き算の美学」を感じる自然な味と香りの調和があります。

8. 仕込みの工夫「蒸米を休ませる」「厳密な温度管理」
甑から蒸し上がり、放冷機を通って粗熱を取った蒸米を、空気にさらして休ませます。米をさらに冷ますと同時に米を安定した状態にします。蒸米を一度休ませてから仕込むことで、発酵が穏やかになり、優しい味わいになります。
低温長期発酵においては温度のコントロールが重要です。タンク内5箇所の温度を1日に4回以上測定し、狙った通りの発酵を進めます。

9. 瓶詰め&低温殺菌火入れ「瓶燗」
弊社では、特別純米と吟醸酒以上のお酒について「瓶燗」での火入れを行っています。これは、瓶に生酒を充填した状態で、別の機械に移して瓶の外にお湯を流す方法です。手間のかかる「瓶燗」の最大のメリットは、より低温で殺菌することで、日本酒本来の風味を楽しめること、タンパク質の変性が少ないためきれいな味わいになることです。

10. 静音大型冷蔵庫での低温安定熟成
瓶詰後は、常時4℃の専用大型低振動冷蔵庫にてラッピングし約1年間熟成することで、格調高い味わいになります。

P.S. 新酒鑑評会について

弊社は、1989年-92年まで4年間連続で、新酒鑑評会で金賞を受賞しました。21世紀に入り、現在まで、あえて新酒鑑評会に出品しておりません。
それは、新酒鑑評会のためだけの技術ではなく、実際の日本酒のための技術を磨くためです。我々は、本質的な酒造りと真剣に向き合っています。
弊社は土日祝日、お盆とお正月にはお休みをいただいております。ご了承ください。
20歳未満の方には酒類を販売いたしません。お酒は20歳になってから。
TEL:0584-32-1155
FAX:0584-32-2190